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荒井社会保険労務士事務所 » 業務内容 » 助成金事業
助成金、補助金とは-公的制度による返済不要の資金を活かして会社の経営力を向上します
助成金や補助金を活用していますか?
多くの個人事業者や中小企業の事業主は、助成金、補助金を活用していません。
また、知っていても申請書類が多くて煩雑なため、申請をためらう方も少なくありません。
例えばこんな時に助成金や補助金を活用できる可能性があります。
- 従業員をこれから雇用する予定がある
- 働き方改革を進めている
- 新規の機械設備や社内システムの設備投資を検討している
- 商品を売るための看板を設置しようとしている、チラシを配布して宣伝しようと考えている
- ホームページを作ろうと思っている
- テレワークで仕事をしようと考えている
- 老朽化した設備を省エネ設備に交換したい など
私たちは中小企業や個人事業主に向けて、その事業や会社の状況に合わせて、こうした助成金や補助金の情報をお届けしたり、必要に応じて助成金や補助金の申請をお手伝いしています。
私たちが皆様のお手伝いをする際には、こうした助成金や補助金を、事業者の皆様の求めに応じて導入します。あなたの事業に助成金と補助金によって、資金面でのメリットをご提供します。
助成金・補助金と公的融資の違い
助成金や補助金を公的融資と勘違いされる方がいます。この違いを少し解説したいと思います。
大きな違いは、融資は返済が必要で、助成金や補助金は返済が不要という点です。
他の特徴を比べてみます。
公的融資 | 助成金・補助金 | |
目的 | 融資(借入) | 給付(もらえるお金) |
窓口 | 政府系金融機関(日本政策金融公庫) 行政等(信用保証協会が代位弁済する制度融資) |
省庁や各事務局 |
主な内容 | 設備資金、運転資金の貸し付け (民間金融機関の補完) |
政策的課題に対して行われる活動への費用補助 |
種類 | 15種類程度(日本政策金融公庫の場合) | 3,000種類以上(全国) |
利用方法 | Webや近隣の店舗から申し込み | 知識を持ち、見つける必要あり 知っているもの勝ち |
助成金とは
国や地方公共団体などが政策を推進するために支出するものです。既に解説したとおり公的融資(日本政策金融公庫からの融資や信用保証協会が代位弁済する制度融資等)は返済が必要ですが、助成金(補助金)は原則返済不要です。政策的課題に対して行われる活動への費用補助だからです。
私たちは、主に厚生労働省が管轄する人に関する支援金を助成金と呼んでいます。助成金は国の施策に合わせた活動に対して交付されます。利用のタイミングとしては、1)雇用、2)労働環境の整備、3)教育、と大きく3つあります。具体的にはアルバイトや派遣社員など(いわゆる非正規労働者の方)を正規社員にするための助成金や、高齢者の方の継続雇用、従業員への研修に関するものなど、その時々の国の政策に合わせてさまざまなものが用意されます。財源が雇用保険のため、基本的には雇用保険料を支払っている事業主が対象となります。
なお、主に経済産業省や自治体などが、設備投資や研究開発を目的とする事業主の為に、税金を使って支援する制度は補助金と呼び、私たちは助成金とは区別しています。助成金と補助金は、意味合いは似ていますが、その申請や受給方法には大きな違いがあるためです。
補助金とは
補助金は、助成金と同様に国や地方公共団体が政策を推進するための支出金です。設備投資や販売促進、研究開発などを目的にした事業者が対象です。税金が財源であるため、人を雇用していない個人事業主も申請できます(一部の補助金を除く)。助成金と比べて一つ当たりの金額が大きいことも特徴です。
補助金はいわゆるビジネスコンテストのようなものです。助成金のように一定の基準を満たしていれば受給できるものとは違い、審査で得点の多い上位者から予算の範囲内で受給者が決まります。審査は、申請書の内容が審査項目に適しているかどうかが問われます。この点から、いかにそれぞれの補助金の目的を正確に把握し、申請書に表現するかが求められます。
助成金・補助金が出てくる時期
助成金と補助金の出てくる時期は、助成金はコンビニエンスストア、補助金は田舎の電車にたとえられます。
助成金は、基本的に予算があればいつでも募集しているため、条件が合えばいつでも申請できます。ですので、24時間いつでも利用できるコンビニエンスストア、というイメージです。なお、国の予算が執行されるのは国の年度初めの4月から翌年の3月末までが区切りとなりますので、基本的に助成金の種類や内容はその区切りで改められることがあります。
補助金は、国の場合は主に春と秋がその募集時期になります。募集期間は長くてもだいたい1か月くらいのため、その間に申請できないと、次の機会まで待たないといけません。ですので、本数の少ない田舎の電車、という感じです。その電車を逃すと、次の電車までかなり待たないといけないことと似ています。そのため、補助金申請は特に事前の準備がとても大切です。補助金申請の書類を作り上げ、必要書類を整えるには手間と時間がかかりますので、普段のお仕事に支障が出ないようにするためにも、計画的にすすめることをお勧めします。
補足:国の予算の流れ
助成金や補助金は、国等の予算編成によって内容や金額が決まります。予算編成とは、国の歳入(税金等の収入)をもとに、歳出(支出)を決定することです。なお、助成金の財源は雇用保険料、補助金の財源は税金が中心です。
予算は、編成から始まり、議会で審議、決定された後、執行されます。その後には決算を行います。ある年に編成・審議された予算内容は、その翌年に執行され、さらにその翌年に決算が行われますので、およそ3年度以上の期間が予算の1つの周期となります。1年という期間で考えると、その年の予算を執行して、前年度の決算を行い、来年度の予算を編成・審議するという3つの仕事が同時進行していることになります。
助成金や補助金情報の集め方
助成金や補助金の情報は、厚生労働省や経済産業省のホームページで確認できます。また、助成金ならハローワークや労働局、補助金は商工会議所や商工会といった公的支援団体でも確認が可能です。ただ、こうした公的機関は支援メニューが幅広いため、助成金や補助金の全てに詳しいわけではありません。そのため、助成金は社会保険労務士、補助金は中小企業診断士、税理士や行政書士など、国家資格を持ち、助成金や補助金に詳しい専門家に確認することもお勧めです。
専門家でも助成金や補助金に詳しい方とそうでない方がいらっしゃいます。助成金の申請代行をお願いする場合は、国から唯一申請代行が認められている社会保険労務士で、助成金申請に実績がある方がおすすめです。補助金の申請代行をお願いする場合は、中小企業診断士や税理士等の国家資格を持ち、チャレンジしたい補助金に得意な方をお勧めします。
荒井社会保険労務士事務所では、国や東京都の助成金申請のお手伝いでは長年の実績があります。気になる助成金があったり、何か助成金にチャレンジできないか、という方はお気軽にご相談ください。
助成金のポイント
助成金申請のポイントを簡単にご紹介します。ご自身で申請される方は参考にしてください。
- 雇用保険を支払っている従業員がいないと、ほとんどの場合助成金は利用できません
- 条件に該当すれば、個人事業主も利用できます。
- 申請には社内の労務管理が必須です(就業規則、労働条件通知書、勤怠管理簿、賃金台帳等の整備)
- 労働保険や社会保険料未納など労働法違反があると申請できません
- 半年以内に会社都合の退職者がいると申請が制限されます
- 助成金の申請期限を過ぎると申請ができません
- 助成金のための無理な制度変更は本末転倒です
- 申請の手順を間違えると受給できません(事前の準備が大切です)
- 最新の情報に基づいて申請しましょう(申請条件が変更されやすいため、こまめな情報収集が大切です)
- 帳簿類や労働環境を整備し、労使の関係性を良好にしましょう
- 準備や手続きで本業に支障が出そうな場合は、専門家の力を借りることをおすすめします